研究概要 |
平成23年度は,日本体育学会第62回大会(鹿屋体育大学)において,関連研究成果について発表を行った. 楠堀誠司-吉田和人.卓球ゲームにおける打法や状況毎の打球速度. 内容:卓球のドライブ,つっつき,ブロックなどの各打法について,その打球速度の比較検討を行った.I.ショットのピーク値:最大値27.17m・s^<-1>,最小値上4.18m・s^<-1> II.フォアハンドショット>バックハンドショット III.レシーブ後のショット>レシーブ IV.打法毎に見た場合,ドライブ≧その他≧ブロック≧ハーフボレー≧フリック≧つっつきの順で高い値を示した. 全ショットの平均ピーク値は13.37m・s^<-1>であり,この値を平均速度としてショットが飛来した場合,卓球台2.74mを横切るまでにかかる時間は0.2秒あまりであり,時間ということで考えるとかなり短時間であることが分かる.ラリー中のフォアハンドショットの最大値は27.17m・s^<-1>(97.8km/時)で,0.1secで卓球台を横切ることに相当し,これは人間の全身反応時間の限界値に相当することなどがわかった. また,2012年国際スポーツバイオメカニクス学会(オーストラリア,メルボルン,7月1日~6日)での発表を目指し分析を進め,論文の投稿を行い,査読の結果発表することが確定した. Seiji Kusubori,Kazuto Yoshida,Hiroshi Sekiya The functionsmof spin on shot trajectory in table tennis. この研究では,仮説通り卓球のショット軌跡は二次関数によって近似できることが示され,それに基づきショット軌跡に対するボールのスピンの影響を検討した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度に公務中(勤務中)に事故により重傷を負い,手術,入院等を余儀なくされ,その後の生活でも支障をきたす時間が長く,現在もリハビリを行っている.これらのことが想像していた以上に重くのしかかり,研究活動を一時期停滞せざるを得ない時間があり,結果としてやや遅れてしまっていると感じている.
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今後の研究の推進方策 |
本年度は国際スポーツバイオメカニクス学会での発表と,さらに分析を進めたデータを加えて,国内での発表(発表場所は未定)を計画している.これらの発表をもとに,卓球のショット軌跡に関する研究成果の論文投稿を計画している.プレーヤーのキネマティクス情報とショット軌跡の関連が主要テーマであったが,ショット軌跡そのものを詳細に分析・検討する必要があることが分かったため,まずはショット軌跡そのものに焦点を当てて研究を進める必要があると考えている.
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