研究課題/領域番号 |
22500595
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
松永 敬子 龍谷大学, 経営学部, 准教授 (60281565)
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キーワード | スポーツタレント発掘事業 / 地域スポーツ振興事業 / 地域協働 / 連携 / システム構築 |
研究概要 |
本研究では、我が国の「スポーツタレント発掘事業」実施地域に注目し、タレント発掘事業に参加した結果、「タレントとして選抜されなかった多くの子どもたち(以下、非選抜児童)」に対するサポートシステムに着目し、現状を把握することを第1の目的とする。また、単にタレント発掘事業を競技スポーツの発展のためだけに遂行するのではなく、実施事業を起点に地域スポーツ振興の発展へと繋げるための新たなサポートシステムを構築することを第2の目的とする。 平成22年度~23年度にかけて、スポーツタレント発掘事業を展開している地域に対して、事業概要と地域スポーツ組織との連携について、非選抜児童へのサポートシステムを中心としたヒアリング調査を実施し、現状を把握した上で、モデル地域を選出した結果、福岡県、山形県、秋田県、岩手県、山口県などの事業展開に注目することとした。特に、Bailey and Koney(2000)によれば、非営利組織の組織間関係は、「協同→調整→協働→結合」という連続体のプロセスをたどり、生成発展すると論じられているため、本研究では、各競技団体および地域スポーツクラブをはじめとする、スポーツ関連組織との協働システムを核とした組織間関係の生成過程に目を向け、山形県YAMAGATAドリームキッズの育成プログラムのサポートシステムに注目し、ヒアリング調査(2012年3月)を重点的に実施した。本研究の目的である非選抜児童へのサポートシステムのフレームワークにも援用できる可能性を秘めている取り組みのため、次年度においてもさらに調査および分析をすすめることとする。 また、本年度は、非競技特化型の和歌山県ゴールデンキッズ発掘事業(2011年11月)と競技特化型の京都府京の子どもダイヤモンドプロジェクト(2011年12月)の事業(選抜測定会)参加児童とその保護者に対して、質問紙調査を実施した結果、非選抜児童へのサポートシステムの必要性が高いことが確認された。 今後は、地域の各競技団体や地域スポーツクラブ、スポーツ推進委員などを巻き込んだ、非選抜児童に対するサポートシステムの構築に向けて、「地域協働(local partnerships)」の視点から、縦断的かつ横断的な調査研究を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
東日本大震災の影響を受け、特に東北地方及び関東地方へのヒアリング調査の時期を大幅に遅らせることとなったことも要因の1つである。
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今後の研究の推進方策 |
「スポーツタレント発掘事業」実施地域自体も、試行錯誤を重ねながら本体である育成プログラムを主として事業を展開しているのが現状で、非選抜児童にまで目を向けた事業展開はまだまだ遅れているというのが現状である。今後は、さらに、実施主体である実行委員会(行政)だけでなく、JISS・JOCにもご協力を頂き、さらに、地域の各スポーツ組織・団体とも連携し、研究を進めていきたい。
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