研究課題/領域番号 |
22500599
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研究機関 | 中村学園大学 |
研究代表者 |
中島 憲子 中村学園大学, 教育学部, 准教授 (00301721)
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研究分担者 |
海野 勇三 山口大学, 教育学部, 教授 (30151955)
鐘ケ江 淳一 近畿大学九州短期大学, 保育科, 教授 (90185918)
口野 隆史 京都橘大学, 文学部, 教授 (60192027)
黒川 哲也 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (50390258)
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キーワード | スポーツ観 / スポーツ価値意識 / スポーツ・リテラシー / 学校体育 / 運動部活動 |
研究概要 |
研究2年目にあたる平成23年度は、現地(国内・国外)調査体制の整備に加え、第一次調査の実施(日本にて)及び「スポーツ観(スポーツ価値意識、スポーツ像)」調査票の最終検討を行うこととした。そのために第一に、外国調査として、韓国の共同研究者(釜山・釜山大学校:黄教授)、(東亜大学校=姜教授)を訪問、また国内調査においては、学会時に協力依頼を行う関係者への調査依頼の手続きを行った。そして第二に、2007年および2009年に第一次調査として実施した「スポーツ観」調査を基に、「日本の大学生におけるスポーツ観形成の実態」と題して、3本の学会報告を行った(九州体育・スポーツ学会:名桜大学)。そこでは、研究Iとして尺度作成の検討を行い、研究IIとして、その尺度を用いてクラスター分析を行い、四つのスポーツ価値意識のタイプ(文化的価値肯定型、有用性懐疑型、陶冶性懐疑型、文化的価値懐疑型)を析出した。またスポーツ像については、12カテゴリーにわたるスポーツ像を作成し、各カテゴリーで得られた得点をもとに、スポーツの価値意識タイプ別、勝利志向型、組織的スポーツ活動経験の有無、在籍パターン別に分析を行った。以上の分析を行った結果、多くの成果と課題が得られた。 例えば、スポーツ価値意識に対して男女間に有意な差は認められなかったが、組織的スポーツ活動経験の有無別にみると、日常的有用性因子において、活動経験の有り群が無い群よりも高くなっていた(p<.05)。また、勝利志向尺度を用いて勝利志向得点の男女別比較をすると、女子に比して男子の勝利志向得点が有意に高くなっていた(p<.001)。また課題として、組織的スポーツ活動経験の内容(年数、部活動名、部活動の指導形態、頻度、入部の目的、等)の検討を残した。 現在、以上の成果と課題から、尺度の最終作成、本実施へ向けた手続きを終了したところであり、引き続き、次年度に向けた準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度までに、スポーツに対する調査の調査票作成(予備調査)と分析を行った。また、その予備調査の結果をもとに、尺度の再検討を行い、最終調査票の作成を済ませた。そして、その調査票の翻訳作業と、調査対象国に向けた共同研究体制づくりも順調に手続きを進めているところである。
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今後の研究の推進方策 |
今年度が最終年度にあたるため、4~5月に国内調査の実施、5~6月に韓国における調査の実施を行い、国内においてデータの分析と考察を行うことが主な内容となる。加えて、海外の研究協力者を交えたデータ分析も行う予定である。それらの結果を、国内および国外の学会にて報告予定としている。
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