本研究の目的は、ラグビー競技の中で起こる接触プレイを工学的に解析し、その衝突力学モデルを構築することである。そのため、小型慣性センサを実際の選手に装着し、実践的なスキル(タックルとサイドステップ)について、運動特性を計測した。センサから得られる電気信号を運動解析に有用なデータへ加工するため、(1)姿勢回転行列の適用、(2)電気的ノイズ除去、(3)スパン誤差補正(ドリフト誤差修正)を施した。実験においては、本校のラグビー部員を対象として、計測・検証を繰り返した。科研費助成期間の研究で、ラグビー選手の実践的スキルにおける運動特性を数秒間計測することに成功した。衝撃力と運動軌跡の計測結果を実際の値(真値)と比較したところ、ほぼ5割の確率で計測が可能であった。
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