本研究課題を遂行するに際し、平成22年度は第1段階において、骨格筋に対する筋レジスタンス運動の影響をみるものとして以下の研究を実施した。 1.筋肉酸素遂行状態におよぼす筋レジスタンス運動の影響 この研究は長年にわたり筋レジスタンストレーニングを実施している成人男性におけるトレーニング群と非運動群を対象として、末梢骨格筋の酸素化レベルにおよぼす影響について比較検討した。その結果、両群とも、運動強度の増大に伴って筋肉の酸素化レベルは低下し、筋肉の酸素消費量が大きくなることが示唆された。また、同じ相対強度でもトレーニング群の酸素化レベルは大きく、長期にわたる筋レジスタンス運動は筋肉の酸素利用を増大させる。また、最大挙上重量の80%強度における回復期の変化を検討すると、トレーニング群は酸素の利用が大きいことから回復は遅延することを認めた。以上の結果は現在、投稿論文として準備している。 2.低体力高齢者、一般健常高齢者の体力比較と長期的健康づくり運動教室の効果 本研究は高齢者健康づくり運動教室(期間6カ月)を企画し、十分なインフォームドコンセントをとり、これに参加した男性の低体力高齢者と一般健常高齢者の体力比較と運動教室の効果を検討した。15名ずつ、合計30名(平均年齢68歳)を対象とした。運動教室は総合複合運動形式とし、平成23年3月初旬まで実施した。現在、それらの結果は防衛体力および行動体力の面から、検討中にあり、学術論文として平成23年度中に執筆の予定である。
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