研究課題/領域番号 |
22500626
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
森田 浩之 岐阜大学, 医学系研究科, 准教授 (90252147)
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研究分担者 |
石塚 達夫 岐阜大学, 医学系研究科, 教授 (20108070)
宇野 嘉弘 岐阜大学, 医学系研究科, 教授 (70293553)
梶田 和男 岐阜大学, 医学系研究科, 講師 (70402154)
森 一郎 岐阜大学, 医学系研究科, 助教 (40444327)
池田 貴英 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (30444326)
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キーワード | 携帯電話 / EMA / メタボリックシンドローム / 高血圧症 / 2型糖尿病 / 脂質異常症 / 無作為介入研究 / 行動変容 |
研究概要 |
メタボリックシンドロームは、内臓脂肪型肥満に高血糖・高血圧・脂質異常のうちの2つ以上が合併した状態であり、それらのリスクファクタの重積によって相乗的に動脈硬化性疾患の発症が高まることが知られている。これらの重積は、内臓脂肪蓄積に伴うインスリン抵抗性に基づいて起こる。メタボリックシンドロームから動脈硬化性疾患の発症の予防や進展阻止が重要であるため、2008年4月から特定健診制度によってメタボリックシンドローム該当者に対して特定保健指導が行われている。しかし、対面で頻繁に指導を行うことは時間的に困難であり、効果は一過性に終わる可能性が高い。生活習慣改善には、患者自身が現状を認識しつつ興味を持って継続的に取り組める方法が必要である。 EMAとは、その時の痛みや疲労度といった主観的情報や、運動、喫煙などの行動情報、あるいは血圧や血糖などの人体の生理的指標を、連続的に収集し記録する手法である。本研究の目的は、メタボリックシンドローム患者が、携帯電話メールによるecological momentary assessment(EMA)システムを毎日利用することによって、自己の現状を能動的に把握し、生活習慣改善に持続的に取り組むことで、体重・血圧・血糖・血清脂質が改善されることを無作為割付介入試験によって証明することである。本年度は、昨年に引き続き外来患者約20名から同意を得て、この介入試験を継続した。介入期間は6カ月間で、残り6カ月間がコントロール期間である。現在、参加人数を増やしつつ研究を進行中である。なお、肥満2型糖尿病患者6名を対象とした検討では、HbAlcは、開始時7.6±2.4%から、3ヵ月後6.3±0.6%(P=0.031)、6ヵ月後6.5±0.6%(P=0.22)となった。BMIは、開始時33.4±7.2kg/m^2から、3ヵ月後32.3±6.6kg/m^2(P=0.031)、6ヵ月後32.5±6.6kg/m^2(P=0.25)となり、HbA1c・BMIとも3ヶ月後のデータでは改善が認められた。また、同様の改善がリウマチ・膠原病患者にも有効かどうかを検証するための介入研究も並行して行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画していたほどメタボリックシンドローム患者からの同意が得られなかったり、中途脱落したりすることが多い。また、携帯電話のアドレスが特殊であると、ソフトウエアに適合しないために研究に参加できないという問題もある。
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今後の研究の推進方策 |
参加者をできるだけ増やす努力が重要なので、この1年間で外来患者からできるだけ同意を得るように努める。メタボリックシンドローム患者に限らず、生活習慣に関連しそうな患者からも同意を得て、症例を増やす。これまでに研究が終了した症例もあるため、症例のデータベース化を推進する。データを集計後、今年度末までに統計解析を終える予定である。
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