研究概要 |
本研究の3つのテーマのうち,今年度は高齢者の健康状態のベースライン調査データと国民健康保険医療費データとのリンケージを図り,ベースライン調査時のライフスタイルの状況をもとに,現在の医療費データとの関連を探った。 その結果,ベースライン調査時における様々なライフスタイル項目のうち,多くの項目と医療費データとの密接な関連が見いだされ,ベースライン調査でライフスタイルの状況がよかった者ではよくなかった者と比べて現在の医療費の支出が低いことが示された。また,長期間の継続的な調査の結果,ベースライン調査時からの脱落者も多くなってきたが,ベースライン調査時によくないライフスタイル状態であった者でより多く脱落している傾向がうかがえた。これらの結果から,脱落の原因についてさらに詳細な調査を行い,ライフスタイルのよくなかった者ではその後の生存率の低下をまねいているかどうかについて,さらなる調査を行う必要性があることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度分については一定の達成度であったが,前年度に予定していた調査の実施が遅れている。その原因としては,調査対象地域である阿見町で議会が空転し,調査に必要な手続きが遅れたこと,および東日本大震災の影響で,調査対象地域が被災しており,調査の実施が困難であったためである。
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今後の研究の推進方策 |
すでに縦断的な調査を実施しており,その結果を大至急まとめていく。最終年度であることから,その結果も合わせた形で全体のまとめを行っていくこととしている。併せて,研究成果は論文にまとめ,研究雑誌に投稿する。
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