研究課題/領域番号 |
22500635
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
市川 陽子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 准教授 (50269495)
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研究分担者 |
合田 敏尚 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (70195923)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 栄養学 / 生活習慣病 / バイオマーカー / 糖質吸収抑制 / グライセミックインデックス / レジスタントスターチ |
研究概要 |
糖質の消化吸収制御によって、ヒトの糖代謝、脂質代謝および慢性炎症状態に改善がみられることを、関連指標を用いて検討した報告はほとんどない。本研究の目的は、メタボリックシンドローム予備軍の日本人における糖質吸収抑制食(低GI食)の継続摂取と、糖代謝および慢性炎症状態の各指標との関連を検証することである。 平成22・23年度の試験により、低GI食を5週間継続摂取した軽度肥満者(BMI≧23)の成人男性において、体重、腹囲、BMIの有意な(p<0.01)減少、血中HbA1c値の低下傾向、血漿γ-GTP活性の有意な低下(p<0.05)が示された。血漿γ-GTP活性は、健常者における酸化傷害や炎症の指標、内臓脂肪面積との強い関連が明らかにされており、低GI食の継続摂取による軽度肥満者の内臓脂肪の減少と耐糖能の改善あるいは炎症の抑制が起きたものと推察した。 平成24年度は、高GIと低GIのモデルメニューを調製し、両者における食後の血糖値、インスリン濃度、インクレチン濃度および中性脂肪値の変動の違いを明らかにし、低GI食が糖代謝に与える影響の機序を検討した。すでに検証済みの食品の調理後GIデータをもとに、一定の栄養比率で複合食の高GI食、低GI食を調製した。一般健常学生に両者をクロスオーバーで単回摂取させ、食後3時間までの血糖値、インスリン濃度、中性脂肪値およびインクレチン濃度を測定した。低GI食は、高GI食に比べて明らかに食後の血糖値上昇を抑制し、インスリンの初期分泌を抑制した。一方、GIP、GLP-1の分泌量には影響していなかった。これらのことより、一定のPFC比率であり、不溶性および水溶性食物繊維や有機酸による胃排出速度の遅延効果、腸管における消化吸収の遅延効果を利用した低GI食の摂取は、GIP、GLP-1の分泌に関与せずに、インスリンを節約しながら血糖値を下げることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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