研究概要 |
前年度に引き続いて,作成したデータベースに新たな特定健診データを追加し,規模の拡大したデータ群に対して下記[1]の分析を行い,再吟味を掛け,それと並行して下記[2]を実施した. [1]健診データと問診データおよびその関係性の分析: 拡充したデータベースから,継続的に経年受診している者のデータをデータ群として抽出し,それらのデータ群に対して以下の手順で分析を進めた.(1)健診データに関して統計解析的分析を行い,各データ項目のデータ分布,経年でのデータの推移を評価した.(2)健診データの主成分分析・因子分析に基づいて各データ項目間の関係を分析した.(3)健診データの経年での推移を分析し,更にマルコフ過程モデルによる評価も行った.続いて,問診データに関しても(1)~(3)の健診データと同様の分析・評価を行った.その結果から,保健指導上のポイントとなる健康状態と生活習慣の具体的な結びつきの特性について検討した. [2]健診・問診の両データ項目を包含するベイジアンネットワークの検討: [1]で得られた分析結果と知見に基づき,健診と問診の両データ項目を適切な形で包含するベイジァンネットワークのモデリングを行った.具体的には男女別に,まず健診項目ごとにベイジアンネットワークを構成し,各健診項目を良い状態,悪い状態に設定した場合における各問診項目の変化を捉え,両者の比較を通して腹囲・BMI,空腹時血糖・HbAlc,中性脂肪・HDLコレステロール,拡張期・収縮期血圧の各健診項目に関連の深い生活習慣の問診項目を抽出・評価した.次に特定保健指導の階層レベルを含む全項目統合型のベイジアンネットワークを構成し,これにより積極的支援,動機づけ支援,情報提供,及び保健指導対象外の各レベルに設定した場合のネットワークでの問診項目と健診項目の状態変化を捉え,特定保健指導の階層化レベルと健診項目・問診項目の関係性を抽出・評価した.
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