研究概要 |
「研究の目的」 本研究では、セルフ・レギュレーション・セオリーにもとづく、教員のメンタルヘルスを改善するプログラムをインターネットによるアセスメントを行い、その結果をフィードバックすることにより、参加した教師のメンタルヘルスの改善を目的としている。 「研究の意義」 現在、教師のメンタルヘルスが悪化しており、日本全国の病気休職をしている教師の63%が精神疾患を理由としている。特に、保護者対応、生徒指導、同僚教師との軋礫等、コミュニケーションの問題が、その主な要因であり、対人関係のスキルを如何に向上させるか、また、対人関係における認知を変容させるかが、教師のメンタルヘルス改善のための重要な要素として検討されている。そのため、本研究では、対人認知における変容を目的とした介入を意図した情報をインターネットにて配信するために、アクセスの良さ、個人を特定されることのないフィードバックを得られる特性を持つ。 「研究実施計画」 本年度は,セルフ・レギュレーション・セオリーにもとづいた指標及びモデルの作成を行った。指標の作成においては、一般の心理尺度を用いるのではなく、教師の職業特性を考慮した、教師のストレスモデルに特化した心理的な指標の作成を行った。その結果、教師の職業性ストレスを測定するストレス反応を従属変数とした場合、ストレッサー、セルフ・エフィカシー、セルフ・コントロール、ソーシャルサポート、コーピングの各変数が有意に影響性を持つことが確認された。 この結果をもとに、セルフレ・ギュレーション・モデルを作成し、教師に対する有効な介入手段の検討を行った。また、このモデルにもとづいた、インターネットをベースとした介入の実施を開始するところである.
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