本研究の目的は、地域在住高齢者および勤労者を対象としたコホートにおいて、うつ症状の発生およびクオリティ・オブ・ライフ(Qualityoflife:QOL)の変化を予測する因子について、身体的健康状態、健康行動、心理的要因に加えて、社会経済学的要因を含め検討することであった。2年後のうつ症状の発生は、地域コホートで7%、職域コホートで9.2%であった。解析の結果、地域高齢者、職域のいずれのコホートにおいても、2年後のCES-DおよびQOL得点にはSOCが寄与しており、SOCが有効な予測因子となることが示唆された。
|