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2011 年度 実績報告書

まちなか移動と健康づくりを抱き合わせた紙媒体による身体活動促進プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22500649
研究機関福岡大学

研究代表者

山口 幸生  福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (90230375)

キーワード身体活動 / モビリティマネジメント / 自転車 / 紙媒体 / ICT
研究概要

本年度は,本格的な地域介入を行う予定であったが,介入実施に必要なフォーマティブリサーチが不十分であったため,1)介入予定地区の30才以上65才未満地域住民における,自転車利用の実態を明らかにすること,2)エコロジカルモデルの概念に基づき、主観的な環境要因を含めて自転車の利用行動に影響を及ぼす心理社会的要因を明らかにすることを目的とした。福岡市城南区1449世帯の世帯主を調査対象とした.最終的に856世帯から回答が得られたが(回収率60%),その中で65歳未満432名のうち,全ての回答が得られた286名(有効回答率66%)を分析対象とした.調査内容は,基本属性,通勤の有無,通勤に利用する各交通手段の1週間あたりの利用回数・時間,自転車の利用に対するセルフエフィカシー,態度,行動意図,認知的バリア,モデリング,ソーシャルサポートであった.対象者の平均年齢は,52.9±8.7才であった.会社員の割合が57.0%と最も高く,通勤をしていると答えた者は74.5%であった.自転車利用に対する行動意図の分布は,自転車を利用してみようと全く思わないと答えた者が25%,少し思うと答えた者が41%,思うと答えた者が21%,とても思うと答えた者が13%であった.自転車の利用時間に影響を及ぼす心理社会,主観的環境的要因を検討するために,共分散構造分析を行った.その結果,最も適合度の高かったモデルは,週あたりの自転車利用時間にセルフエフィカシーのみが直接影響し(.37),認知的バリア(-.36)とモデリング(.15)は,セルフエフィカシーを媒介して影響するというモデルであった.よって次年度に予定する介入においては,モデリング手法を用いること,認知的バリアを減少させることで自転車利用に対するセルフエフィカシーを向上させる必要があるといえる.エコロジカルモデルで重要な変数とされる近隣の環境認知と1週間あたりの自転車利用時間との間に関連は見られなかった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

地域介入の前提となる地域資源の分析が不十分であったことと,介入地区住民の注目度を集めるために設定された大規模イベントの企画運営に予定外の労力が取られたことから,本年度はフォーマティプリサーチの一環として地域住民に対する質問紙調査およびフォーカスグループインタビューを実施するにとどまった.

今後の研究の推進方策

H24年度については,7月までに対象地区のベースライン調査を終了し,9月以降に本格的な地域介入を進める予定である.研究遂行上の問題点は特にない.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 余暇身体活動および通勤時の歩行が勤労者の抑うつに及ぼす影響2011

    • 著者名/発表者名
      甲斐裕子, 永松俊哉, 山口幸生, 徳島了
    • 雑誌名

      体力研究

      巻: 109 ページ: 1-8

    • 査読あり
  • [雑誌論文] クルマ依存脱却に向けた公共交通・自転車利用の阻害要因--地方中枢都市の住民を対象として2011

    • 著者名/発表者名
      難波秀行、山口幸生、武田典子
    • 雑誌名

      厚生の指標

      巻: 58 ページ: 13-20

    • 査読あり
  • [学会発表] 地域住民の身体活動量を促進する戦略を考える2012

    • 著者名/発表者名
      山口幸生
    • 学会等名
      第25回九州スポーツ心理学会
    • 発表場所
      九州大学筑紫キャンパス(福岡県)
    • 年月日
      2012-03-10
  • [学会発表] 休日の不活動が勤労者の抑うつに及ぼす影響2011

    • 著者名/発表者名
      甲斐裕子, 永松俊哉, 山口幸生, 徳島了
    • 学会等名
      第66回日本体力医学会
    • 発表場所
      海峡メッセ下関(山口県)
    • 年月日
      2011-09-16
  • [学会発表] 自転車と共に暮らしてハッピーになろう!(シンポジウム:生涯スポーツと健康シンポジウムパネリスト)2011

    • 著者名/発表者名
      山口幸生
    • 学会等名
      第19回西日本肥満研究会
    • 発表場所
      福岡大学メディカルホール(福岡県)(招待講演)
    • 年月日
      2011-07-16
  • [学会発表] 抑うつ傾向の改善に対する通勤時の歩行と自転車の影響2011

    • 著者名/発表者名
      甲斐裕子, 永松俊哉, 山口幸生, 徳島了
    • 学会等名
      第84回日本産業衛生学会
    • 発表場所
      ホテルアジュール竹芝(東京都)
    • 年月日
      2011-05-18
  • [図書] 運動・スポーツとメンタルヘルス生涯スポーツの心理学(章分担)(杉原隆編)2011

    • 著者名/発表者名
      山口幸生
    • 総ページ数
      223-230
    • 出版者
      福村出版

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公開日: 2013-06-26  

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