2型糖尿病患者において食後低血圧はしばしば見られ、QOLの低下につながるが、その詳細については明らかでない。24年度は2型糖尿病患者と健常者の食後の循環動態の違いについて心拍、心臓自律神経活動、上腕動脈、中心動脈の観点から検討した。 (対象並びに方法)対象は健常者15名および2型糖尿病患者15名の計30名である。対象全例にテストミール(日本糖尿病学会考案)を摂取させ、食前、食後1時間後および2時間後の心拍数(HR)、上腕血圧、中心血圧ならびに心臓自律神経活動を測定し、健常者と糖尿病患者の食後循環動態の違いを検討した。(結果)健常群においては食後1時間においてHRは有意に増加し、交感神経活動は増加傾向を示した。上腕血圧、中心血圧については有意な変動は認められなかった。これに対して糖尿病患者においてはHRの増加、交感神経活動の増加は認められず、食後1時間において上腕血圧、中心血圧のそれぞれが有意に低下した。又上腕血圧に比べて中心血圧での低下が有意に大きかった。以上の結果より、糖尿病患者においては健常人の食後の循環動態反応と異なり、早期から自律神経障害が生じることにより、食後末梢血圧のみならず中心血圧においても有意な低下をきたすことが明らかになった。従って、糖尿病患者では早期より食後の循環動態に対する十分な注意が必要であると示唆された。
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