Eicosapentaenoic acid (EPA・魚油)が心血管イベントを減少させることと関連があることが近年報告されている。魚油の摂取が冠動脈疾患患者の血清EPAレベルとBRSに与える影響を調査した。 冠動脈疾患患者にPCIを行った3か月後に血清EPA値とBRSを測定し、EPA低値患者にはEPA1800mg/day投与(EPA群12名、女性2名、平均68±8歳)、EPA正常患者には投与せず(non-EPA群11名、女性2名、平均71±7歳)、さらに3か月後両群で再度血清EPA値とBRSを測定した。患者背景は年齢、性別、血圧、内服薬、血清脂質等に両群間で有意差はなかった。EPA群では血清EPA値(49±12μg/ml→177±84μg/ml、P<0.05)とBRS(3.0±2.4ms/mmHg→6.0±4.1ms/mmHg、p<0.001)が有意に上昇した。non-EPA群では血清EPA値にもBRS値にも有意な上昇は認められなかった。 このような効果がEPAが冠動脈疾患患者のMACEを減少させる理由の一つと考えられた。
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