地域在住女性83名を対象とし体脂肪率、骨密度、血中エストラジオール(E2)、レプチンを測定した。隠れ肥満群ではやせ群、普通群に比し、骨密度、及びレプチン濃度は有意に高く、逆にE2濃度は有意に低かった。hVD-SIF1多型別に骨密度を比較するとやせ群、普通群ではWT型>ヘテロ型>MT型の順で有意に高かったが、隠れ肥満群と肥満群では差がなかった。hVD-SIF1多型別に踵骨骨密度とレプチン濃度の関係を検討するとやせ/MT型群、普通/MT型群では踵骨骨密度とレプチン濃度有意に正の相関を示したが、隠れ肥満/MT型群と肥満/MT型群では有意な関連がなかった。よってやせ体型、及び普通体型の中年成人女性では腸管からのCa吸収の遺伝的影響を強く受けるが、隠れ肥満や肥満の体脂肪率の高いの中高年成人女性では、脂肪細胞におけるレプチンが骨密度維持に寄与することが示唆された。
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