ヒトモデルとなるビタミンC生合成不能ラット(ODS ラット)を用いて、脳内ビタミンC動態と神経細胞に対する作用を解析した。加齢・老化・酸化ストレス負荷を反映するビタミンC半欠乏群(潜在的ビタミンC欠乏群)では、血液や臓器中のビタミンC濃度は顕著に減少したが、脳内のビタミンC濃度は減少傾向のみであった。このことから脳内におけるビタミンC保持機構の存在が示唆された。またビタミンCは未分化神経細胞の神経分化を有意に促進し、また酸化障害に対しても防御効果を示した。以上のことから、ビタミンCは脳内に特異的に保持され、神経細胞の維持・再生に寄与する必須栄養成分であることが実証された。
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