研究課題/領域番号 |
22500677
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
千葉 篤彦 上智大学, 理工学部, 准教授 (40207288)
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研究分担者 |
岡田 隆 上智大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00242082)
服部 淳彦 東京医科歯科大学, 教養部, 教授 (70183910)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | メラトニン / 学習・記憶 / 加齢 / 酸化ストレス |
研究概要 |
2011年度に引き続き、中年期(11ヵ月齢)から8ヵ月間、飲み水にメラトニンを混ぜて与えた群と与えなかった対照群の老年期マウス、また、若年期(8週齢)および中年期の無処置群のマウスの非空間記憶および空間記憶を、それぞれ物体認識試験および位置認識試験により評価した。また、これら各群の一部の個体について脳スライス標本を作成して海馬における長期増強を調べた。残りの個体は灌流固定後脳切片を作成し、ダブルコルチンを指標としてニューロン新生を、8-OHdGの蓄積量を指標として酸化ストレスを、それぞれ免疫組織学的手法により調べた。老年期では、非空間記憶、空間記憶のどちらもメラトニン投与群の方が対照群に比べて有意に高い学習記憶能力を保持していた。しかし、中年期より若年期のマウスの方が、また老年期のメラトニン投与群、対照群のどちらよりも中年期のマウスの方が学習・記憶能力が高かった。また、海馬、嗅周囲皮質における8-OHdG蓄積量については、老年期のメラトニン投与群より対照群の方が多かったが、若年期よりも中年期、また中年期よりも老年期両群のマウスの脳の方が多かった。これらの結果は、中年期からのメラトニンの長期投与による加齢性記憶障害の抑制にはメラトニンの抗酸化作用が関係している可能性が示唆された。一方、海馬歯状回でのニューロン新生数や海馬の長期増強(LTP)の加齢に伴う減弱に対しては中年期からのメラトニン投与による抗加齢効果は認められなかった。学習記憶能力や8-OHdGの蓄積、ニューロン新生数を若年期、中年期、老年期で比較したところ、脳機能の老化が既に若年期から中年期にかけて劇的に進行していることが示唆されたので、メラトニンを若年期から投与することにより、これらの指標についても抗加齢効果を十分に発揮できる可能性も否定できない。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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