研究課題/領域番号 |
22500678
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
村瀬 訓生 東京医科大学, 医学部, 講師 (10317894)
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研究分担者 |
勝村 俊仁 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (80214352)
長田 卓也 東京医科大学, 医学部, 講師 (60297281)
木目 良太郎 東京医科大学, 医学部, 講師 (90366120)
下村 浩祐 東京医科大学, 医学部, 兼任助教 (20453714)
渡部 芳子 東京医科大学, 医学部, 助教 (20366165)
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キーワード | 閉塞性動脈硬化症 / 末梢動脈閉塞性疾患 / 運動療法 / 近赤外線分光法 / 筋酸素動態 / 最大歩行距離 / 自転車エルゴメータ / 無酸素性作業閾値 |
研究概要 |
昨年度に引き続き、当院血管外科を受診した末梢動脈閉塞性患者(PAD)に対して、心肺運動負荷試験(CPX)およびトレッドミルによる歩行試験を実施し、運動中の呼吸循環反応および外側広筋・腓腹筋における酸素動態の測定し、症例数の積み増しを行なった。トレッドミル検査の際には、無疼痛歩行距離(PFWD)および最大歩行距離(MWD)の測定を実施した。さらに、CPXにより得られた無酸素性作業閾値(AT)の強度にて、1回30分、週1~2回の自転車エルゴメータによる運動を3か月間実施させ、運動療法の効果について評価した。また、同年代のPADを有さない対照群に対しては、CPXを実施し同様の測定項目にて評価を行った。 PAD患者の外側広筋および腓腹筋における筋酸素飽和度は、対照群と比較すると、健側の酸素飽和度はほぼ同様の傾向であったが、患側の酸素飽和度は安静時において低値を示し、運動終了時にはその差が増大する傾向であった。運動後の酸素飽和度の回復時間は、PAD群では対照群と比較して延長する傾向であった。また、PAD群の運動終了時の酸素飽和度は、CPX時には外側広筋において腓腹筋より低値を示す傾向がみられ、トレッドミル運動時には腓腹筋においてより低値を示す傾向が認められた。 運動療法の実施方法については、計画と変更を行なった。当初はATレベルにて30分間継続する予定であったが、実施不可能な患者がいたため、継続できない場合には、5分間はATの50%強度に強度を低下させるインターバル運動とした。継続運動とインターバル運動ともにPFWDおよびMWDの改善傾向が認められ、最大酸素摂取量の改善も認められた。また、外側広筋および腓腹筋における運動後の酸素飽和度の回復時間の短縮が認められた。両運動の差については、引き続き検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
血管外科学講座において、主任教授が交代したため、研究の引継ぎが十分にできなかった。また、分担研究者が複数退職したため、役割分担を含めて見直す必要が生じた。そのため、十分な症例を集めることができず、予定通りには進行していない。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、心臓血管外科の研究分担者を新たに追加し、研究対象者の増加を図る。近赤外線分光法による評価は継続して実施し、運動療法による評価指標の確立を目指す。運動療法の実施方法に関しては、十分な人数を確保できない可能性もあり、自転車エルゴメータによる運動を優先して実施し、継続運動とインターバル運動の差について検討をする予定である。
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