研究課題
【背景と目的】市販の水痘生ワクチン接種は、糖尿病患者の水痘帯状疱疹ウイルス(以下VZV)に対する特異的免疫能を健常高齢者と同等に増強した(Hata A.et al. J Infect. 2013)。【方法】高齢糖尿病患者を対象とする水痘生ワクチンとプラセボとのランダム化二重盲検比較試験。市販の乾燥弱毒生水痘ワクチン又はプラセボを接種し、0、3ヵ月後に皮内テストと血液検査した。主要評価項目は、水痘抗原皮内テストスコア(陰性0‐強陽性3)、副次評価項目はELISPOT assay;単核球数4 x 105あたりのVZV -NC刺激細胞数をELISPOTとし、接種前と3ヵ月後の増加率、IAHA抗体価を測定して接種前後で比較した。安全性は、調査票より接種後1年間調査した。【結果】Vaccine(V)群25名、Placebo(P)群27名。ITT 解析 ;V群及びP群の皮内テストのスコア平均は接種前それぞれ1.07±0.87、1.15 ±0.94 (p= 0.77)、3か月後1.48±0.94、 1.26±1.06 (p= 0.42)であった。スコアの前後差は、V群0.41±0.80 がP群0.11±0.93より高かったが、有意差はなかった (p = 0.22) 。ELISPOTは、解析し得た各々15名の平均増加率がV群1.19±0.65 、P群 1.16±0.65であった (p=0.91)。IAHA抗体価変化率はP、V群各々平均1.09±1.75 、1.00±0.187 (p=0.08)と両群とも有意な変化はみられなかった。観察期間中に全身性の副反応、帯状疱疹をみなかった。【考察】前研究に比較して低反応であったのは、対象に新たにDPP4-inhibitorが使用されたこと及び成人用肺炎球菌ワクチン同時が接種が推察された。肺炎球菌ワクチンの血清型6Bと23Fの抗体価(ELISA)を検討したところ、肺炎球菌ワクチン接種前後比はV群P群それぞれ6Bは 2.12±1.64 、3.27±3.69、23Fは 3.41±2.81、3.96±2.54と接種後有意に上昇した。【結論】糖尿病患者におけるランダム化二重盲検比較試験において、水痘生ワクチンはプラセボに比してVZVに対する特異的免疫を有意に賦活化できなかった。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件)
Vaccine (subimitted)
巻: in print ページ: 00-00
Drug Des Devel Ther.
巻: 8 ページ: 2017-38.
10.2147/DDDT.S46654