神奈川県内の医療機関(全346施設)に勤務する看護師5536名を対象として、アンケート調査を実施した。調査項目は、年齢、身長、体重、職種、勤務形態、身体活動(IPAQショートバージョン)、QOL(WHOQOL26)、主観的健康感、抑うつ(CES-D)、疲労(Chalder疲労得点)、自覚症状(自覚症しらべ)、睡眠(交代制勤務者睡眠質問票)、朝型-夜型(MEQ)、食物摂取(コーヒーやアルコール摂取を含む品目別の量と頻度、FFQG)、服薬、既往症、月経(女性のみ)および喫煙歴であった。調査の回収数は男性171名、女性3404名、合計3646名(65.9%)であった。女性の交代制勤務者(1632名)では、過去1ヶ月間で低強度の身体活動を実施していた者は914名、中強度以上の身体活動を実施していた者は446名、低強度以上の身体活動を実施していなかった者は272名であった。低強度以上の身体活動を実施していた群は実施していなかった群と比較して、20年後の健康状態の予測とQOL(身体的領域、心理的領域、社会的関係、環境領域)が有意に良好であった。また中強度以上の身体活動を実施していた群は低強度以上の身体活動を実施していなかった群と比較して、抑うつレベルと現在の健康状態が有意に良好であった。また休日での座ったり寝転んだりする合計時間は、QOL(身体的領域、心理的領域)、現在の健康状態、20年後の健康状態と有意な負の相関関係、過去1ヶ月間の疲労レベル、過去1ヶ月間のストレスレベル、抑うつレベルとは有意な正の相関関係が認められた。したがって、夜勤を含む交代制勤務に従事する女性看護師では、勤務日あるいは休日での身体活動は心身の健康と密接に関連することが示唆された。
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