研究課題
看護師15名を対象として日常生活時の身体活動、自律神経活動、睡眠、食事、眠気、疲労、気分等に関するモニタリングを日勤日、夜勤日、休日に実施した。これらのモニタリングは小型で携帯性に優れた機器(加速度センサー、携帯型コンピュータ、心拍計)を用いて経時的に実施した。具体的には、腰に装着する加速度センサーを用いて身体活動を測定し、眠気、疲労、気分については、携帯型コンピュータに質問紙調査を実装させ、日常生活時のものを把握した。また自律神経活動については、24時間心拍計を用いて心電図波形を記録し、波形のR波の時間間隔時系列データについてスペクトル解析等を用いて解析し心臓自律神経調節系機能を評価した。その結果、副交感神経活動と交感神経活動に関する指標の日周リズムの位相は日勤者と比較して交代制勤務者の方が統計的に有意に後退していた。また、初年度に実施したアンケート調査の解析を進めた。神奈川県内の医療機関(全346施設)に勤務する看護師5536名を対象とし、勤務形態、身体活動(IPAQショートバージョン)、QOL(WHOQOL26)、主観的健康感、抑うつ(CES-D)、疲労(Chalder疲労得点)、自覚症状(自覚症しらべ)、睡眠(交代制勤務者睡眠質問票)、朝型―夜型(MEQ)、食物摂取等を調べた。その結果、抑うつ、疲労、自覚症状、勤務中の眠気は、運動習慣に加え、朝食摂取や早寝早起きといった朝型の生活習慣によって低下しうる可能性があることが示唆された。また実際に、日勤時に朝食を摂取する交代制勤務者は、朝食を摂取しない交代制勤務者と比較すると、副交感神経活動と交感神経活動に関する指標の日周リズムの位相が統計的に有意に前進していることを見いだした。これらの結果から、夜勤を含む交代制勤務に従事する看護師では、朝型の生活習慣や運動習慣あるいは身体活動は心身の健康と密接に関連することが示唆された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Autonomic neuroscience: basic & clinical
巻: 176 ページ: 85-90
10.1016/j.autneu.2013.02.015
Journal of Biological Rhythms
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