研究課題/領域番号 |
22500691
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
細谷 たき子 山形大学, 医学部, 教授 (80313740)
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研究分担者 |
鈴木 育子 山形大学, 医学部, 准教授 (20261703)
小林 敦子 山形大学, 医学部, 教授 (30250806)
叶谷 由佳 山形大学, 医学部, 教授 (80313253)
森鍵 祐子 山形大学, 医学部, 助教 (20431596)
浅川 典子 埼玉医科大学, 保健医療学部, 准教授 (00310251)
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キーワード | 認知症高齢者 / 通所介護施設 / 介護プロセス / 職場研修 |
研究概要 |
目的 : 介護方法に共通する基本的な要素を介護者が認識するために、介護プロセスについて、介護技術、連携が必要な内容等を明らかにする。また、介護プロセスの分析結果に基づいて、職場研修の方法を検討する。 方法・結果 : H22年に実施した山形県内3か所の認知症対応型通所介護施設に実施したグループインタビュー(GI)の逐語録を「介護ケアプロセス」に焦点を当て、「介護困難の状況」「ケア提供者の判断」「利用者への対応」「利用者の反応」を文脈に沿って分析後、GI参加者15名にフィードバックして分析結果の妥当性を4段階で尋ねたところ、事例(各施設3-5例)毎に回答した延べ総数55のうち、とてもそう思う47(85%)、ややそう思う8(15%)の高い同意率を得た。介護スタッフは利用者の生活歴等から利用者の行動パターンを推測し、表情や行動を観察、話を聞いて確認したうえで、利用者への声かけたそのタイミングを工夫していた。スタッフ間で情報を共有しチームワークでケアする、また利用者同士の交流をとりいれて精神安定を図る工夫がみられた。 山形県内の4認知症対応型通所介護施設の職場研修企画に係る管理者4名およびスタッフリーダー(4名)に依頼し、職場研修の方法についてGIを実施した結果、次の情報を得た : 1)介護拒否がでるプロセスを分析する、2)介護の振り返りを文章化にする、3)介護プロセスを「介護困難の状況」「ケア提供者の判断」「利用者への対応」「利用者の反応」等の流れに沿って図式化する、4)ロールプレイで現状を再現、5)事例検討で情報の共有、6)認知症の中核症状を理解し、利用者の状況を認知症の症状に照らし合わせて介護を判断する。これらの内容は職場研修の実際の経験に基づいて表現された研修方法であり、かつ認知症高齢者を介護するうえで必要と判断された介護の力量であると考えられ、職場研修プログラム作成の枠組みとなり得る。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成22年に実施したスタッフインタビューの分析結果をフィードバックし、妥当性を検証した。また、認知症対応通所介護施設の研修管理に係るリーダーによるグループインタビューを実施し職場研修プログラム計画のための基礎となる情報を得た。
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今後の研究の推進方策 |
これまで得た知見に基づき、認知症対応通所介護施設利用者への介護の質向上を目的として、介護スタッフを対象とする職場研修教育(OJT)プログラムを開発する。OJTプログラム実施にあたり、研修指導者役割を誰ができるか、の問題が未解決である。これについては、現場のスタッフ構成によるところが大きい。研究者が指導役割をする場合と現場スタッフのなかからリーダーが出る場合、その他の場合など試行し、現場に即し、スタッフ教育に役立つプログラムを検討する。
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