研究目的としては、明治・大正期の翻訳家事書の分析を通して、当時の学校教育である家事教育の中で如何なる家庭像を創りあげようと試みたかを明らかにすることを目的とした。 本年度の研究実績は、研究計画に平成22年度実施予定内容として示した研究項目について以下のような成果を出した。 (1) 明治の女子教育と家事教育について明治期の翻訳家事書の内容から捉えた時代が理想とした家庭生活像について、明治期の教科書分析により課題を明らかにした。 (2) 大正期の翻訳家事書「模範家庭」が理想とした家庭生活像(原本との対比)の資料収集及び分析については、イギリスのボドリアン図書館において原典を明らかにし、翻訳書と原典との内容比較に取り組んだ。その成果については平成23年度報告予定である。 (3) 大正期の生活改善運動と主婦像、および大正期の婦人向け雑誌における生活改善と新たな主婦像については、大正期の家事書及び同時期に発刊された婦人向け雑誌30冊を対象に関連項目に関する分析を行い、その成果については国立民族学博物館のシンポジウムにおいて報告(平成22年9月)した。
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