大衆長寿高齢社会において、老いることを忌避し排除する意識が根強く、自立志向が強いなかで「できていたことができなくなる」という要介護性を受け入れることは難しい状況にある。本研究はライフコースにおけるケアの受容性・対等互酬性という観点から、「保育における要養護性」と「介護における要介護性」の対比検証し、生-老-病-死を紡ぐ連続体として理解する試みを行った。その結果、同質性と異質性が明らかになるとともに、高齢者の「負の学習」(できなくなることを学ぶ)と要介護性(ケアされることを受容すること)を相対的に理解することの重要性を指摘した。
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