研究概要 |
タマネギ外皮を用いた染色布の紫外線防御効果を明らかにすることを目的として、セルロースおよびナイロンフィルムを染色を行い,これらの繊維への吸着性について評価した.実験はタマネギ外皮抽出液と比較のために試薬ケルセチンおよび試薬ルチンを用いて行った.次に,セルロースよりも吸着量の多かったナイロンフィルムに関して紫外線防御効果を紫外線防御指数(UPF値)から評価した.その結果,ケルセチンを用いて染色したナイロンフィルムは,吸着量が約0.05mol/kg以上,タマネギ外皮抽出液を用いて染色したナイロンフィルムは,ケルセチン換算の推定吸着量が約0.015mol/kg以上でUPF50+の値を示し,タマネギ外皮抽出液を用いた染色フィルムは,ケルセチンを用いた染色フィルムよりも優れた紫外線防御効果を持つことがわかった.そこで,タマネギ外皮中のケルセチン以外の紫外線防御効果を持つ成分についてHPLC分析からUV-B粋に吸収を持つ成分について調べた. さとうきびの葉を用いた緑色染色に関して,同じフラボン類の基本骨格を持つカリヤスを用いた染色と比較して検討した.その結果,カリヤス染色布は黄色度が高く緑味を示さないが,硫酸銅水溶液を用いて媒染したさとうきび染色布は580~780nmにおけるK/S値および-a^*値の絶対値が増大し,鮮やかな緑色染色布が得られた. 柿渋の発足促進のために,染料液に酢酸ナトリウムを添加して、その濃色化に及ぼす影響を検討した。すなわち,柿タンニンの溶解法など染液の調製方法,酢酸ナトリウム濃度,染色温度などの最適条件を調べた.
|