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2011 年度 実績報告書

重曹使用による衣類汚れ除去と環境負荷軽減のための水系洗濯最適条件に関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 22500717
研究機関福岡教育大学

研究代表者

長山 芳子  福岡教育大学, 教育学部, 教授 (00117045)

キーワード重曹 / オレイン酸ナトリウム(石けん) / 洗浄効率 / 人工汚染布 / モデル油汚れ / 可溶化
研究概要

重曹は、「人にも環境にもやさしい」台所や住まいの洗浄剤として、さらに被服および繊維製品ではしみ抜きや部分洗いとして使用され始めている。重曹を用いた被服および繊維製品の手入れについて、市販図書の使用量記載は様々であり、特に洗濯については正確な記載が少ない。本研究の目的は、重曹を用いた衣類の水系洗濯実験を行い、家庭洗濯における適正な重曹-石けん使用量の提案をすることである。これにより衣生活において、水環境負荷を軽減する実践可能な洗濯の提案が可能となる。
今年度は重曹単独水溶液および石けん共存水溶液の油汚れに対する洗浄力について、可溶化作用の面から検討した。被洗物はモデル油汚れとして油溶性染料スダンII、洗浄剤として重曹(炭酸水素ナトリウム、試薬特級)、石けんとしてオレイン酸ナトリウム(試薬特級)を用いた。可溶化方法は、水溶液に過剰な油溶性染料を投入し、温度20~40℃、恒温振とう機で往復120rpm、12~60時間振とうした。可溶化後の濾液にエタノールを加えた水溶液の吸光度を分光光度計で測定し、可溶化量を算出した。重曹単独水溶液では、油溶性染料を加えた振とう後の吸光度はほぼOであり、可溶化は認められなかった。重曹-石けん共存水溶液では可溶化が生じ、配合比率によって、石けん単独水溶液よりも高い可溶化が認められた。昨年度から継続している湿式入工汚染布((財)洗濯科学協会)を用いた撹拌型洗濯試験機(Terg-O-Tometer)による洗濯実験において、重曹-石けん共存水溶液は、重曹単独水溶液よりも洗浄効率が高いことを確認した。これらのことから、重曹-石けん共存水溶液は、被服の油汚れ除去に効果があると推察される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度は、重曹単独および石けん共存系の洗浄力測定を、湿式人工汚染布を用いて研究を進めた。2年目の本年度は、油汚れの洗浄効果について可溶化の面から検討した。次年度に向けて予定どおり、固体粒子汚れの洗浄効果について準備を始めている。

今後の研究の推進方策

H24年度は、1.重曹および石けん共存系における固体粒子汚れの分散性測定について、固体粒子汚れの分散方法を確立し、分散水溶液の安定・再現性を確認する。2.重曹および石けん共存系における人工汚染布の洗浄力測定について、1の分散方法を用い、重曹単独ならびに石けん共存系の洗浄力の影響を検討する。これらにより、衣類の水系洗濯の場合、重曹単独系、石けん単独系、重曹-石けん共存系において、油性汚れおよび固体粒子汚れのいずれの除去に対して、どのような洗濯条件が最も洗浄効率が高いか明らかにする。この結果を基に、家庭洗濯における重曹単独、石けん併用時の洗濯条件を予測し、重曹を使用する場合の洗濯条件を提案する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 重曹のオレイン酸ナトリウム共存水溶液における油溶性色素の可溶化および表面張力の変化2011

    • 著者名/発表者名
      長山芳子・菅原明日実
    • 学会等名
      日本家政学会第63回大会
    • 発表場所
      和洋女子大学
    • 年月日
      2011-05-29

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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