研究概要 |
藍草に含まれるインジカンをインジゴに変える酵素インジカナーゼの活性を促す方法を検討し、最も簡単確実なインジゴ生成法を確立するために、藍草5種類(琉球藍・タデアイ・ナンバンコマツナギ・ウォード・ミャンマーのナンバンコマツナギ)を用い、インジカンとインジカナーゼの接触(叩く・揉む)、光(天日乾燥・日陰乾燥)、熱(ドライヤー乾燥・アイロン乾燥)の影響を処理後の藍草内のインジゴ量測定により検討した。 インジゴ量測定は処理藍草を乳鉢で粉砕後目開き125μmの篩に通して粒子を微細化して得た粉末0.01gにN,N-ジメチルホルムアミド(DMFと略称)2mlを加え、攪拌しながら抽出液が透明になるまで繰り返し全量を50mlとし、インジゴが示す最大吸収波長611nmの吸光度を測定した。各種藍草の抽出時間のよる吸光度変化を補正し、合成インジゴと市販粉末インド藍のインジゴ量を100とした時のそれらに対する各種藍草のインジゴ含有率(%)を算出した。その結果、琉球藍やタデアイでは611nmにインジゴの吸収ピークを見ることができるが、ナンバンコマツナギではその吸光度は小さく、葉自体のインジゴ量が少ないと判明した。また、ミャンマーのコマツナギやウォードでは611nmよりも660nmの値が高かったため、インジゴよりもクロロフィル(葉緑素)が多いと考えられた。各種藍葉のインジゴ含有量には差があり、さらに同じ藍草でも処理方法の違いによって得られるインジゴ量が変化した。ドライヤー乾燥、手揉みやたたくなどの処理をすることで藍葉に含まれるインジゴ量は増加した。一方で、アイロンや熱湯処理、45℃乾燥などは酵素を失活させる原因となりインジゴ量は減少した。
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