研究課題/領域番号 |
22500723
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研究機関 | 昭和女子大学 |
研究代表者 |
石垣 理子 昭和女子大学, 生活機構研究科, 准教授 (70185875)
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研究分担者 |
猪又 美栄子 昭和女子大学, 生活機構研究科, 教授 (50184784)
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キーワード | 衣服設計 / 動作適応性 / 筋電図 / 動作分析 / 官能評価 / ユニバーサルデザイン |
研究概要 |
本研究は、衣服の動作適応性評価方法を確立し、将来的により広範囲の着用者の満足を得られるユニバーサルデザインの視点からの衣服設計データベース構築を目指すものである。 平成23年度は、平成22年度に得た予備的実験の成果を6月に開催された日本繊維製品消費科学会2011年度大会で発表した。 さらに、定量評価に向けて前年度3月震災の影響により延期となっていたデータ数確保のための追実験を行った。衣服による拘束が大きい場合に起こる動作変化を含めて負担の程度を筋活動量でとらえるための被験筋を含めて、素材の異なるブラウスに組み合わせたジャケットの素材間摩擦の違いを拘束要因とした動作適応性実験である。被験者は65歳以上の高齢者と20歳代の若者各7名とし、合計14名を対象に実施した。被験筋は、これまで申請者らが着脱動作実験で結果を得ている右三角筋に加えて、平成22年度の予備的実験で新たに見出した体幹部の姿勢変化に対応するための僧帽筋および広背筋を測定部位とした。また、実験服は素材間の摩擦以外の要因を極力減らすために、個人の寸法・形態に適合したものを制作した。測定動作は、ブラウスに対するジャケットの着脱動作およびジャケット着用状態での上肢6動作とした。官能評価、表面筋電図、関節角度の測定と、2方向から撮影したビデオから動作分析(動作時間、四肢および体幹の動き)を行った。これら実験方法は高齢者若年者各3名で実施した平成22年度と同様とすることで、衣服による動作拘束を定量的に評価し統計的な検討も可能にするためのデータの蓄積を主な目的とした。現在は、その筋電図データの解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
着用実験は授業用の教室を使用するため、大学の休暇中に行わざるを得ないが、H23.3月の震災により、実験環境がダメージを受け、予定していた追実験を平成23年度の夏季休暇中に延期せざるを得なかったこと。さらに、同震災による研究室の被災のため、研究データを蓄積していたPC環境およびデータの大半を失ったことによる。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は最終年度となるので、本実験の研究成果を研究論文として投稿することを目標とする。現在は、震災の影響で本実験の実施が遅れたためデータ解析が終了していない状況であるが、データ整理の補助人員を強化し、実験結果の考察を進めていく。
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