地球温暖化対策として、地域産業の振興対策として地産地消を目指す食品に、地域ごとに食生活の偏りや栄養バランスの欠如を生じさせない為、本研究では、地域ごとに異なる食材に存在する類似した機能成分を探索する。本年度は、肥満予防に有効な体熱産生促進作用を有する身体の温度センサー(イオンチャネル)を賦活する食品成分を「温熱寒涼」野菜のこれまでの結果をベースに、静岡県特産品に関して探索した。始めに、これまでに探索したことがある「温熱寒涼」野菜の結果を追試し、有効成分の抽出溶媒を再検討した。様々な食品素材を多検体、同時に測定する際には溶媒抽出の再現性が求められる。これまでと同じ、食品から逐次methanol、 ethyl acetate、 hexaneで抽出すると共に、単一のethyl acetateで抽出する条件を検討した。確立した条件を元に、静岡県産の茶、ワサビ、カツオ、柑橘類などから成分を抽出し、TRPV1賦活活性並びにTRPA1賦活活性を測定した。以上の知見を元に、その他の道県として長崎県(びわ茶、つばき、バレイショなど)、北海道(ハスカップ、アロニアなど)、山形県(ウコギ、もみ殻、アツミカブ、アマブドウなど)、高知県(ゴイシチャ、ビワシュシ、海水、柑橘類など)などの特産品に注目して、地域特産品毎に含まれる活性成分の特徴を今後検討する。
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