研究課題/領域番号 |
22500732
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
守田 昭仁 静岡県立大学, 食費栄養科学部, 助教 (40239653)
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キーワード | イオンチャネル / 地域特産品 / 温度センサー / 体熱産生 |
研究概要 |
地球温暖化対策として、地域産業の振興対策として地産地消を目指す食品に、地域ごとに食生活の偏りや栄養バランスの欠如を生じさせない為、本研究では、地域ごとに異なる食材に存在する類似した機能成分を探索している。これまで、肥満予防に有効な体熱産生促進作用を有する身体の温度センサー(イオンチャネル)を賦活する食品成分を「温熱寒涼」野菜のこれまでの結果をベースに、静岡県特産品に関して探索してきた。本年度は、さらに、他地域の特産品にまで探索の範囲を広げ、昨年度確立した改良抽出法で様々な特産品のTRPV1,TRPA1賦活活性を調べたが、強い活性を示すものはなかった。そこで、温度センサーの種類を増やす目的で、TRPV2とTRPV3のクローニングを試み、クローンの単離に成功した。TRPV2は高温で活性化するイオンチャネルであり、TRPV3は常温で活性化するイオンチャネルである。特に、TRPV3は常温でチャネルが開いてしまうので、その活性を測定する上では、温度管理ができる還流システムの構築が必須である。そこで、温度調節可能なインラインヒーターを購入し、温度変化に伴うTRPV3活性測定系の構築を行った。この系はTRPV3のみならず、TRPV1・TRPV2やTRPA1の活性測定にも活用でき、温度条件を一定に保って地域特産品の有効成分を探索できるようになった。昨年度の抽出条件の改良と本年度の活性測定系の改良により、一定条件下での地域特産品の成分探索を継続している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
温度センサー(イオンチャネル)の活性測定法の確立に時間を割いたために、様々な地域特産品の活性測定の量をこなすことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題のアッセイ系の最大の特徴である温度センサーの温度に依存した変化も活性測定できるようになったことから、今後、様々な地域特産品の活性測定を精力的に取り組む。
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