【目的】民間療法薬として毒消しや虫さされに利用され、刺身・鮎料理のつま等に使用されているヤナギタデの免疫賦活性について検討した。【方法】ヤナギタデ(鮎タデ・紅タデ:Polygonumhydropiper;市販品)の熱水抽出物について、ヒト好中球・単球に対する貪食活性と食胞融合能性を検討した。ヒト末梢血により分離した好中球および単球(5×10^6個/ml)をcoverslip上で90分培養し、各濃度に調製した鮎タデ・紅タデ抽出物を黄色ブドウ球菌死菌体(1×10^8個/ml)にコートし、ヒト好中球・単球を各試料に加えて、好中球の場合は37℃・60分、単球の場合は37℃・3hr incubateした。その後メタノール固定し、メチレンブルーで染色後、顕微鏡下で細胞内に貪食された菌数をカウントして貪食活性を調べた。食胞融合能の測定では、coverslip功上に吸着した好中球のライソゾームにアクリジンオレンジをプレラベルした後、鮎タデ・紅タデ抽出物を加えて貪食実験と同様に測定し、蛍光顕微鏡にて食胞融合能性を測定した。さらに、スーパーオキサイドアニオン(O_2^-)を測定し、殺菌能を調べた。【結果】ヒト好中球に対する貪食活性を調べた結果、鮎タデ・紅タデとも、濃度に依存して貪食作用を促進した。鮎タデでは、100μg/mlの濃度でコントロールに比べ3.7倍(p<0.001)、紅タデでは3.3倍(p<0.001)の貪食活性を示した。また、単球に対する貪食活性の結果、鮎タデ・紅タデとも1.4倍(80μg/ml、p<0.001)の貪食活性を示し、食胞融合能性と殺菌作用を促進することから鮎タデ・紅タデを免疫賦活食材として活用できることが認められた。
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