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2011 年度 実績報告書

乳タンパク質の自己会合及びゲル形成機構解明への高感度超音波分光分析の活用

研究課題

研究課題/領域番号 22500747
研究機関日本大学短期大学部

研究代表者

太田 尚子  日本大学短期大学部, 食物栄養学科, 教授 (00203795)

キーワードタンパク質ゲル / カゼイン / 自発的会合 / 卵白アルブミン / 脂肪酸塩 / 相転移
研究概要

昨年度(H22年度)は、乳タンパク質の中で、比較的脂肪酸塩誘導ゲル形成能の優れたβ-ラクトグロブリンと単独では脂肪酸塩を添加してもゲルを形成しないカゼイン画分を用い、その混合系での物性発現の機構を明らかにした。H23年度は、乳カゼインとは起源の異なる卵白アルブミンとの相互作用について明らかにしようとした。特に、先の研究で用いたカゼインは強いシャペロン活性を持たないβ画分であったのに対して、今回はα画分(強いシャペロン活性を持つことで知られている。)の場合も併せて研究材料とした。種々の機器分析(レオメーター、熱分析、FT-IR)を用いて調べた結果、α画分混合系とβ画分混合系では、卵白アルブミンとの混合系において、そのゲル形成に寄与する分子間力に違いがあることを示唆するデーターが観察された。しかしながら、その違いを定量化することが難しいことがわかり更なるアプローチが必要である。また、超音波分光分析では、カゼインの性質である自己会合現象を超音波減衰のスペクトルで得られたが、この現象が非常に動的な現象であるため、その再現性(およそ何度で自己会合ピークが観察されるか)が低いことが判った。
そこで、最終年度(H24)にはその解決策を見出すことに挑戦したいと考えている。即ち、超音波分光分析装置はDSC同様、試料側と対照側の2つのセルを有している為、同じ組成の混合タンパク質を両方のセルに入れ、超音波処理を施しながら、相転移過程にある試料を随時サンプリングし、その超音波減衰ピークの形成を引き起こしている会合体の分子サイズを比較的新しい電気泳動法などを用いて解析する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

超音波分光分析の情報量が豊富でH22年度はβ-カゼインとβ-ラクトグロブリンの相互作用(ゲルとミセルの違い)を上手く把握できた。H23年度は、α-カゼインとβ-カゼインの差を同装置で解析しているが、それについては予想以上に難しい。現在遂行中である。

今後の研究の推進方策

超音波分光分析装置はDSC同様、試料側と対照側の2つのセルを有している為、同じ組成の混合タンパク質を両方のセルに入れ、超音波処理を施しながら、相転移過程にある試料を随時サンプリングし、その超音波減衰ピークの形成を引き起こしている会合体の分子サイズを比較的新しい電気泳動法などを用いて解析する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Studies on interaction of milk casein and ovalbumin in the presence of fatty acid salts2011

    • 著者名/発表者名
      Naoko Yuno-Ohta, et al
    • 学会等名
      102th America Oil Chemical Society annual meeting & expo
    • 発表場所
      アメリカ(ohaio, Cincinnati)
    • 年月日
      2011-05-02

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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