漁村における海藻食調査の結果、すでに全国的に有効利用の取り組みが進んでいるアカモクなどのほかに、昔からごく限られた地域でのみ利用されている海藻など、珍しい伝統的な海藻食について明らかにすることができた。また、限られた地域で利用されている海藻の一つである紅藻類スギノリ科のアカバギンナンソウを「蒸して搗く」八戸鮫浦に伝わる「あかはたもち」や、褐藻類コンブ目カジメを「味噌や糠に漬ける」対馬・平戸付近に伝わる漬物など、変化にとんだ調理方法の伝統食を発掘することができ、これらの海藻や調理方法を現代食へ応用することができると考えられた。
|