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2011 年度 実績報告書

日中韓地域住民のケイ素摂取量と栄養に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22500755
研究機関東北文教大学

研究代表者

渡邊 孝男  東北文教大学, 人間科学部, 教授 (20004608)

研究分担者 猿渡 英之  宮城教育大学, 教育学部, 教授 (30221287)
キーワードケイ素 / 飲料水 / 日中韓 / 地域住民 / 幼稚園児 / カルシウム / マグネシウム / 陰膳食事調査
研究概要

【目的】Siは植物生理学的研究が多く、人に関する例は少ない。本研究はアジア地域住民のSiのバックグランド・データの構築を目的とする。本年度は、1990年代から2000年初期の日中韓食事調査の飲料水中のSi、Ca、Mg、P濃度を測定し、食事摂取量に対する影響を検討した。【方法】各家庭の飲料水は食事調査時に50mlポリ瓶で採取された。調査対象は国内31地域691検体、中国は16地域501検体、韓国は4地域105検体、タイ1地域52検体であるが、検討対象は1地域5検体以上の地域とした。Si、Ca、Mg、Pの4元素の測定は発光分光分析法(iCAP6500、Thermo Scientific)により、同時分析法で、測定波長は2124と2516,3933と3968,2795と2852,1774と2136nmの各2波長を用い、検量線法で定量した。Pは大多数が定量下限以下のため除外した。【結果】1.90年代の日本全国調査の20都道府県29地域678検体のSi、Ca,Mg濃度の平均値(mg/L)は各11.0、15.1、3.80であり、地域別の最小と最大値は各1.3と28.7、2.0と38.2、0.7と12.5である。2.90年代中国の10地域345検体のSi、Ca,Mg濃度の平均値(mg/L)は各6.2、45.6、11.6であり、地域別の最小と最大値は各3.0と11.1、0.4と97.8、2.7と19.9である。3.90年代韓国の1地域53検体のSi、Ca,Mg濃度の平均値(mg/L)は15.8、7.3、6.1である。4.2003~5年の日中韓幼稚園調査の10幼稚園の220検体では、Si,Ca,Mg濃度の平均値(mg/L)が6.0、36.0、9.8であり、園別の最小と最大値は各々2.8と18,1、2.0と38.2、1.3と24.0である。【まとめ】日本国内の飲料水中のSiは九州と東北地方に20mg/Lを越す高濃度地域が認められた。Siの食事からの一日摂取量は数十mgと推定され、CaやMgの10分の1程度と考えられているが、本調査成績は飲料水による摂取割合が相対的に大きく、Si濃度の高い地域は50%を越す割合が示唆される。日本のSi濃度は中国よりも全体的に高く、CaとMgは中国が日本、韓国よりも高値である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

1.東日本大震災の被害による実験室等の工事による実験および測定機会が充分でないこと。
2.食事検体での測定がルーチンで実施できる状況になっていないこと。

今後の研究の推進方策

1.日中韓の飲料水中のケイ素濃度の成績が明らかになり、地域差を認められた。飲料水由来のケイ素摂取量は食事中摂取量に大きく影響し、両者の相関性が高いと推測される。従って、食事からの摂取量についての測定は飲料水中ケイ素濃度の高、中、低で区分される各グループから3~5地域を選定して実施する。
2.ケイ素の栄養ないし代謝の指標としての尿中濃度の測定については園児のスポット尿を中心に測定を実施する。
3.園児の毛髪、爪の多元素分析の成績との関係を明らかにするために、H22,H23年度に引き続き未測定分の爪、毛髪のケイ素等の元素の測定を完了させる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 日中韓地域住民の微量元素摂取量-飲料水中のSi、Ca,Me濃度について2012

    • 著者名/発表者名
      渡辺孝男、猿渡英之、中塚晴夫、新保慎一郎、池田正之
    • 学会等名
      第82回日本衛生学会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      20120300

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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