研究課題/領域番号 |
22500758
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
塚本 幾代 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (20144636)
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キーワード | メタボリックシンドローム / Δ6デサチュラーゼ / Δ9デサチュラーゼ / 食事指導 / 糖質エネルギー比率 |
研究概要 |
今や、国民病とも言われるメタボリックシンドローム(Mets)の予防と治療は、国民的焦眉の課題である。本研究は、どのような食事がMetsを引き起こす原因となるかを明らかにするために、検診受診男性234例を対象に、健常(C)群52例、腹部肥満(OW)群40例(腹囲≧85cm)、PreMets群79例(腹囲≧85cmに加え高血圧、高血糖、脂質異常の3項目のうち1つ該当)、Mets群63例(腹囲≧85cmに加え上記3項目のうち2つ該当)について食事調査、身体計測、臨床検査、血中脂肪酸分析を行った。OW群では、C群と比較し血圧、糖代謝及び脂質代謝指標において有意な差異は認められなかったが、レプチンは有意な高値を示した。PreMets群では、レプチン、血圧と脂質代謝指標が有意に上昇した。Mets群では、これらに加え糖代謝指標の上昇が認められた。摂取栄養素では、C群と比較しOW群やPreMets群では有意差は認められず、Mets群で食物繊維の不足や肉類の摂取過剰が認められた。血中脂肪酸組成から算出したDesaturase(D)index(生成物/前駆物質)では、OW群とC群に間に有意差は見られなかったが、PreMets群では、C群と比較しΔ6D indexが有意な高値を示し、Mets群ではさらにΔ9D indexの上昇が認められた。多変量解析の結果、腹部肥満発症の予測因子としてΔ6D index、腹部肥満からMetsに進展する予測因子としてはΔ9D indexが示された。Δ6D indexはアディポネクチンと負に相関し、アディポネクチンは糖質エネルギー比率ど負に相関した。また、Δ9D indexと糖質エネルギー比率は正に相関した。即ち、腹部肥満の発症及びMetsへの進展の予防のためには、糖質エネルギー比率を抑える食事が有用であることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
どのような食事が、メタボリックシンドロームの発症要因であるかが明らかになりつつある。
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今後の研究の推進方策 |
メタボリックシンドロームの発症の要因となる食事性(栄養学的)因子が明らかになったので、メタボリックシンドローム患者にその結果に基づいた食事指導を実施し、その栄養療法の効果を検討する。
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