研究課題/領域番号 |
22500759
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
伊達 ちぐさ 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (60047389)
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研究分担者 |
福井 充 大阪市立大学, 医学研究科, 講師 (40173322)
新田 陽子 兵庫県立大学, 環境人間学部, 助教 (70403318)
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キーワード | 食事調査 / データベース / 食品の調理変化 / レシピデータ / ポーションサイズ |
研究概要 |
【目的】対象者の負担が少ない食事調査法として、近年携帯電話のカメラ機能を活用した画像で食事内容を記録する方法が利用されるようになってきた。しかし、写真から料理ごとに個別の食材重量を推定することは非常に困難な作業である。欧米諸国では保持係数(Retention factors)、水分調整(Moisture adjustment)、脂肪調整(fat adjustment)、料理による食物の重量変化係数(Yield factor)等を用いて料理のレシピデータから栄養素等含有量を算出している。しかし、我が国においては調理による重量変化率が示されている食品は主として野菜類や魚類で、すべての野菜について公表されている訳ではなく、しかも調理方法は「ゆで」や「水煮」がほとんどである。日本の食文化に対応した調理方法別重量変化係数を整備するための基礎資料の集積を本研究の目的とした。【方法】過去に実施した地域住民の秤量記録法による食事調査データに基づき、出現率の高い料理として野菜妙め用いた。使用頻度の高い材料としてにんじん、キャベツ、ピーマン、豚肉を選定した。調理方法は、上述の食材を2種類又は3種類の材料を組み合わせ、加熱時間は予備実験の結果から生の食材重量の約80%まで妙めることとし、家庭用フライパンに材料重量5%の油、0.8%の食塩を用いて加熱調理(IH調理器3.0kW出力レベル4)した。加熱終了時及び終了後3分・5分・20分の重量を測定した。【結果】複数材料の調理では、重量が80%になるまでに要した妙め時間は3分30秒~5分50秒であった。また、加熱終了後の重量変化は、放置5分後にほぼ一定になり、調理終了時の重量からさらに5%減少した。【結論】加熱調理終了時には食材重量は80~90%に減少した。調理後の重量変化も考慮すると、複数食材を使用する日本の野菜妙めについては、食材生重量の75~80%の重量変化係数が適当と考えられた。
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