研究課題
【目的】大豆はこれまでの研究で、骨粗鬆症、心血管疾患及び悪性腫瘍の発症を抑制する作用があることが明らかになっている。我々は、これまで大豆イソフラボンと身体機能との関連を動物モデルで解析を行い、大豆イソフラボンの新規な免疫制御機構を見いだしてきた。今回はこれら知見を臨床応用へ結びつけるための基盤研究として、徳島県における一般住人を対象として大豆製品摂取と生活習慣病に関わる各種マーカーとの関連性を探る横断調査を行った。【方法】徳島県の勤労者18~60歳1452名を対象に、食物摂取頻度調査(FFQ)、食習慣・生活習慣に関するアンケート、身体計測および血液生化学検査を行った。統計解析は、SPSS統計ソフトver.16.0により行った。【結果・考察】調査回収率は100%、有効回答率は100%、1452名の分析を行った。大豆製品の摂取量により4群に分類したところ、男女とも身長、体重を含めた身体学的測定値および血液生化学検査値に統計学的な差は認められなかった。食物摂取状況に関しては、男性において大豆製品の摂取量が多い者の特徴として、野菜、魚介類、調味料の摂取量が多かった。女性においては、それら食品群に加えて果実摂取量が統計学的に有意に多かった。栄養素摂取量は、食品群別摂取量の結果を反映して大豆製品の摂取量が多い者は、鉄、カリウム、食物繊維摂取量が多かった。代表的なメタボリックリンドロームの基準で分類した場合、男性で1076名中207人、女性で384名中12名が該当した。メタボリックリンドロームと大豆摂取量との関係についてロジスティック回帰分析を行った結果、男性において最も摂取量が少ない群に比べ最も多い群の発症リスクは、40歳以上で0.978(95%信頼区間;.565-1.691)、40歳未満では、1.557(95%信頼区間;0.699-3.466)であった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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