発達障がい児とは自閉症、学習障害、注意欠陥多動性障害などの発達障がいのある子どもで、こだわりが強い、落ち着きがない、コミュニケーション能力に乏しい、自信がない、見通しが立たず常に不安などがあげられる。 発達障がい児の数は年々増加しており、一人一人の教育的ニーズを把握し、生活や学習上の困難を改善・克服するための特別支援教育が早急に求められている。 平成22年度の食育実態調査により発達障害児に対する食育は十分行われていない現状が明らかとなり、 「教材」や「時間がない」「食に関する知識に乏しい」などの原因が挙げられた。食育は食育基本法にある「生きる力を育む基礎となるもの」であり、とりわけ発達障がい児にとって生きる力を育む教育といえる。 2年にわたる「調理を伴う連続食育教室の実施」で、個別の行動記録、個別のビデオ、児童の主観的な感情記録、保年護者の客観的評価、セルフエフィカシーテスト、自己肯定感などの評価を行った結果、発達障がい児達は調理の技術、好き嫌いの減少、食物に対する感謝の気持ち、自主的な調理の手伝いといった社会性を身に着けただけでなく、コミュニケーション力、自分に対して自信、見通しと段取りなどの改善が認められた。 今年度は教材・時間・食に関する知識に着目し、調理を伴う食育プログラム教材を作成した。「6つの食育の視点」をもとに、テーマと調理メニューを設定し 調理指導できる点である。各食育プログラムの構成は指導案、食育の視点や材料・分量・器具、事前準備内容、調理・授業の流れ、板書計画を掲載し、教材は、Word、Excelで利用者が自由に変更できる。誰でもダウンロードできるHP「発達障害児に対する食育授業教材館」(http://www.eonet.ne.jp/~syokuikusuishin/index.html)を立ち上げた。
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