研究課題/領域番号 |
22500775
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
松嶋 成志 東海大学, 医学部, 准教授 (60280947)
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研究分担者 |
鈴木 孝良 東海大学, 医学部, 准教授 (40287066)
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キーワード | ヘリコバクター・ピロリ / 機能性食品 / 増殖抑制 / IL-8 |
研究概要 |
本研究は抗ヘリコバクター・ピロリ(HP)作用を有する機能性食品の候補であるザクロ果汁について、その効果をin vitro、動物実験、ヒト投与研究を通じて実証していくことを目的としている。平成23年度においては、菌増殖抑制活性、炎症性サイトカイン抑制活性の有効分画成分の追究を中心としたin vitro実験の残余およびHP感染動物実験モデル系を用いたin vivo活性の検討を行う予定であった。有効活性成分解析においては両活性ともにHP-20、LH-20カラムにおいてポリフェノール含有分画の一部に活性を認めており、おそらくは高分子ポリフェノールによるものと推定された。さらにODSカラムでの分画を試みたが、活性成分が複数の分画成分にみられたためか、両活性とも活性収量が少なく単一成分によるとは考えられない結果であった。また、両活性の分布には重なりもあるが異なった部分も存在しており、ポリフェノールの種類および重合度が異なっている可能性が想定された。収量が少なく、また、大きな単一ピークが見られなかったことより、これ以上の有効成分解析は不可能と判断し、この面におけるさらなる追求は残念ながら断念した。動物モデルとしては、ヘリコバクター・ピロリ感染無菌マウス系を用いた検討を開始した。現在、呼び実験中であるが、感染後の菌定着と抗体価の上昇については一定の結果が出つつある状況である。今後、ザクロ果汁等の投与が菌数、抗体価、胃粘膜炎症に与える影響の検討を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
結果的には断念せざるを得なかったが、ザクロ果汁中の有効成分分画の単離に難渋し、条件を変えて繰り返し検討を行い、予定以上の時間を要したことが大きな原因と考えられた。
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今後の研究の推進方策 |
現在、動物実験モデル系の条件検討中である。条件が安定した段階でできるだけ早めにザクロ果汁投与実験を行って行くこととしたい。現段階の問題点としては、菌感染によるHP抗体価の上昇の個体差が大きいことがあげられる。場合により、動物実験での評価項目から外し、菌数と組織標本による評価のみとすることも含めて検討したい。
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