研究概要 |
本研究は,各種多価不飽和脂肪酸を調節した人工乳を用いて・6不飽和化酵素欠損マウスを人工飼育した後に脳機能を評価し,脳内脂肪酸組成との相関性を検証し,脳機能における真に必須の脂肪酸を明確に証明するものである.平成23年度は,以下に示す項目について実施を行ない成果が得られた. (1)∠6不飽和化酵素欠損マウスの繁殖によりコロニー数が拡大した. →本研究では,同一日に出産,人工飼育の開始が望ましいが,そのためには多数のコロニーが必要となってくる. (2)∠6不飽和化酵素欠損マウスの対照動物となるC57BL/6Jの人工飼育法の高離乳率を達成した. →これまで,多産系のマウス新生仔を用いて人工飼育法を行ない高離乳率が維持できていたが,本研究に用いるマウス系等は,多産系ではないため,離乳率は低値であった.しかし,人工乳,哺乳方法の精度を高めることにより,高い離乳率が得られるようになった. (3)一連の行動試験(自発運動量,水迷路試験,新奇環境摂食抑制試験,高架式十字迷路試験,ロータロッド試験)において陽性対照動物による効果を検出した. →行動試験の条件設定は,陽性対照の確認により,安定した方法となる,上記項目において,環境,個々の動物の状態に対応した予備検討を重ねたことにより,至適な条件を設定できるようになった. (4)新生仔マウスの遺伝子タにイプをPCR法により24時間以内に判定できるようになった. →本研究では,新生仔誕生後48時間以内に人工飼育を開始することになっているが,大量の検体を短期間で判定おできるようになった. (5)∠6不飽和化酵素欠損マウスの若齢,成熟個体における飼料中の脂肪酸組成変化による影響を調査している(検討中). →繁殖中に得られた,ホモタイプを用いて,若齢(4週齢),成熟(24週齢)個体の飼料中脂肪酸の影響を確認し,本実験に備えようとしている.
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今後の研究の推進方策 |
前日のように,現在,本研究に関係する環境はほぼ修復,整備されたことから,本年度中には,∠6不飽和化酵素欠損マウスを用いた人工飼育が開始されるものと考えている.
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