目的:糖尿病予防・食後高血糖予防の観点より、米飯と同時摂取時に血糖上昇抑制効果が顕著であった豆製品・乳製品について、食べ方およびセカンドミール効果を検討した。即ち、健常大学生を被験者とし、1)食べる方の検討:乳製品・大豆製品を食べる順序を検討した。①米飯摂取前15分に、②米飯摂取15分後に大豆製品・乳製品を摂取した場合の米飯摂取後の血糖上昇抑制効果を検討した。2)セカンドミール効果:朝食に大豆製品を摂取し、昼食時の米飯摂取後の血糖上昇抑制効果があるか否かを検討した。 結果:1)米飯の食後血糖に及ぼす牛乳・納豆の摂食時刻;牛乳を米飯摂食前15分に摂取すると食後の血糖上昇抑制効果があった。納豆摂取は米飯摂取15分前でも15分後でも血糖上昇を抑制した。この食後血糖上昇抑制には、牛乳ではインスリンが関与する可能性があり、一方納豆ではインスリン分泌が関与しないことが示された。2)豆乳・納豆のセカンドミール血糖上昇抑制効果;朝食に米飯+納豆、+豆乳を摂取したとき、納豆・豆乳を摂取しなかった時と比較して、昼食時の米飯摂食の初期の血糖上昇を抑えた。それには不溶性の食物繊維の関与が示唆された。しかし昼食時のGAUC(血糖上昇曲線下面積)は、朝食時の納豆・豆乳摂取の有無で差はなかった。 意義:1)乳製品・大豆製品は身近な食品で、米飯摂食後の血糖上昇抑制効果が認められた。今後増加が予想される糖尿病予備群に対して、日常の中で行える適切な栄養指導法となる。2)食べ方として、牛乳の血糖上昇抑制効果は米飯摂取の15分前に取るのがより効果的であった。血糖上昇抑制効果の機序に関して、牛乳の場合はインスリン・インクレチンの関与が示唆された。3)大豆製品は米飯摂取15分前・15分後の間に摂取しても、米飯摂取血糖上昇抑制効果があった。大豆製品はインスリンの関与は少ないと推定された。
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