研究課題/領域番号 |
22500779
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研究機関 | 名古屋女子大学 |
研究代表者 |
片山 直美 名古屋女子大学, 家政学部, 准教授 (90387663)
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研究分担者 |
中田 誠一 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (10324435)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 味覚 / 嗅覚 / 官能試験 / 大型コホート / 住民健診 / アンケート調査 / 実態把握 / 認知並びに検知能力 |
研究概要 |
高齢者の味覚と嗅覚における検知能力や認知能力の衰えは、食生活における生活の質を落とすばかりではなく、身の危険に関係するガスもれのにおいや、食中毒を起こす腐っている食品の見分けが出来なくなる原因となる。長寿国であるわが国の味覚や嗅覚に対する初老ならびに高齢者の疫学的な研究は非常に遅れており、味覚と嗅覚を同時に調査した疫学的なデータはほとんど無かった。 本研究のように、継続して地域に密着し、生活習慣、遺伝および環境要因の味覚と嗅覚の検知能力と認知能力を同一被験者に同時に総合的かつ縦断的に研究しようとするものはなかった。そこで人口の移動の少ない北海道八雲町の住民健診において、初老ならびに高齢者における味覚・嗅覚感受性の疫学的実態調査を行った。嗅覚検査結果は受診者全体の65.7%は自覚的に臭いは良くわかると答えたが、嗅覚検査を行った結果、73.3%の受診者が年齢相応の嗅覚認知結果となった。また、臭いがわからにまたはわずかにわかると答えた受診者は自覚症状と一致して嗅覚認知検査結果も悪かった。味覚検査における唾液の出かたについての問診結果、唾液が出にくいまたは全く出ないと答えた受診者は味覚検査結果も悪かった。味覚検査結果と唾液の出かたの自覚的症状との関係では、唾液が出ない場合は味を感じることができないことがわかった。さらに味覚・嗅覚検査の一方または両感覚ともによくない住民が約32.4%存在した。また、BMI値が高いと味覚の認知が悪かった。今後は内臓脂肪との関係を確かめる必要があると考える。嗅覚検査、味覚検査結果が悪かった受診者については、今後耳鼻科を受診していただき、器質的な問題がないかどうかを確かめる必要がある。初老ならびに高齢者の住民健診において、味覚・嗅覚異常をいち早く発見することで、アルツハイマーなどの初期症状をとらえ、早期に治療を行うことが可能となることを期待する。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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