研究課題/領域番号 |
22500782
|
研究機関 | 名古屋学芸大学 |
研究代表者 |
池田 彩子 名古屋学芸大学, 管理栄養学部, 教授 (80308808)
|
研究分担者 |
野村 早 名古屋学芸大学, 管理栄養学部, 助手 (90588956)
|
キーワード | 栄養学 / ビタミンE / トコフェロール / トコトリエノール / 代謝 |
研究概要 |
1. 小腸ミクロソームにおけるビタミンE代謝の検討 ラット小腸ミクロソームを調製し、in vitroにおけるビタミンE異化について検討した。既報(Sontagら2002)を参考にして、小腸ミクロソーム画分にビタミンE同族体および補酵素等を加えて反応させ、電気化学検出器を用いたHPLC法によってビタミンE代謝産物の産生量を調べた。しかし、代謝産物は検出されるもののその量はばらつきが大きく、残念ながら定量的に信頼できる測定系を構築することはできなかった。 2. Caco-2細胞におけるビタミンE代謝の検討 吸収モデルとしてよく用いられるヒト結腸がん由来のCaco-2細胞におけるCEHC産生能を調べた。α-、γ-トコフェロール、α-、γ-トコトリエノールをそれぞれ培地に添加したところ、Caco-2細胞におけるCEHCの産生が確認できた。γ-トコトリエノールが最も異化されやすいことが示された。 3.ビタミンEの腸肝循環についての検討 リポタンパク質リパーゼを阻害したときの小腸のビタミンE濃度の低下を調べることによって、ビタミンEの腸肝循環の有無を調べた。その結果、チロキサポール投与ラットにγ-トコフェロールを経口投与したところ、小腸のγ-トコフェロール濃度の低下が観察されたことから、摂取したγ-トコフェロールの一部は、肝臓から胆汁に分泌され、再度小腸から吸収されることが示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ラット小腸ミクロソームを用いたin vitroでのビタミンE代謝測定系は、残念ながら構築することが出来なかった。しかし、Caco-2細胞におけるビタミンE異化を明らかにすることができた。また、22年度に得られた成果をJ Nutr Sci Vitaminol誌に発表することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き、ビタミンEの吸収について検討を行う。24年度は、特に転写因子LXRの関与と、ゴマリグナンの作用について検討したい。現時点で、研究遂行上特に障害となる点はない。
|