1. ビタミンEの腸管吸収に対するLXR関与の可能性 ABCA1の主要調節因子であるLXRがビタミンE濃度を調節する可能性について検討した。ラットにLXRアゴニストであるGW3965を経口投与し、さらに3時間後にα-トコフェロールまたはγ-トコフェロールを経口投与した。主要臓器のα-トコフェロール濃度にはGW3965の有無による変化が見られなかったのに対し、γ-トコフェロール濃度はGW3965によって増加または増加傾向が見られた。しかし、LXR活性化によるγ-トコフェロール濃度の上昇のメカニズムについては、現在のところ不明である。 2. ビタミンEの腸管吸収に対するゴマ摂取の影響 ラットにリポタンパク質リパーゼ阻害剤であるチロキサポールを静脈投与することによって、経口摂取したビタミンEの血中から肝臓への移行が阻害されることを、平成23年度に明らかにした。そこで、この手法を用いて、ゴマリグナンであるセサミンがビタミンEの腸管吸収を促進するかどうかを明らかにすることを目的とした。チロキサポール投与ラットにγ-トコフェロール、またはγ-トコフェロールとセサミンを経口投与したところ、血清γ-トコフェロール濃度は、セサミン投与によってさらに増加した。したがって、セサミンはγ-トコフェロールの腸管吸収を促進させることが示唆された。
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