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2012 年度 実績報告書

骨粗鬆症の予防におけるビタミンの意義に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22500784
研究機関京都女子大学

研究代表者

田中 清  京都女子大学, 家政学部, 教授 (90227132)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード骨粗鬆症 / ビタミンK / 腸内細菌
研究概要

骨に必要な栄養素としてはカルシウム・ビタミンDが代表的であるが、近年ビタミンK不足が骨折の危険因子であることが知られている。大腿骨近位部骨折患者では、対照群に比して、ビタミンK不足者の割合が高く、また実際に大腿骨近位部骨折を起こし、人工関節置換術を受けた患者の骨組織を検討したところ、ビタミンD・ビタミンK不足骨折患者では、骨梁の減少が著明であった。
ビタミンKの供給源としては食品特に納豆・緑色野菜が重要であるが、腸内細菌によっても産生される。しかしその相対的重要性は未だ明らかではない。今回重症心身障害(SMID)患者を対象とした調査を行った。SMID患者は骨折のリスクが高いが、従来ビタミンD欠乏については報告があるものの、ビタミンKに関しては報告が乏しかった。血清PIVKA-II、ucOCをそれぞれ肝臓・骨におけるビタミンK不足の指標として検討したところ、SMIDでは肝臓・骨のいずれでもビタミン不足者の頻度が高く、経腸栄養(経口よりビタミンK摂取が少ない)で管理され、かつ長期抗生物質服用者において特に頻度が高かった。通常腸内細菌によるビタミンK産生の寄与は大きくないと考えられているが、経口摂取の少ない例では意味を持ち得ることが示された。
成人ではビタミンK欠乏による出血傾向が起こることはないが、新生児では重要な問題である。その原因として、胎盤からの輸送が少ないこと、母乳中濃度が低いこと、腸内細菌が未発達であることなどが挙げられており、今回の結果はこの点を裏付けるものである。ビタミンKは肝臓より骨において必要量が大きく、不足になりやすいことから、骨折リスクの大きい高齢者などでも問題になるものと思われ、さらに詳細な検討を要する。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Enteral nutrition and antibiotic use increase the risk for vitamin K deficiency in patients with severe motor and intellectual disabilities.2013

    • 著者名/発表者名
      Nagae A, Kuwabara A, Tozawa K, Kumode M, Takeuchi Y, Tanaka K.
    • 雑誌名

      e-SPEN Journal

      巻: 18 ページ: 31-36

  • [雑誌論文] Dietary Reference Intakes for Japanese 2010: Fat-soluble vitamins.2013

    • 著者名/発表者名
      Tanaka K.
    • 雑誌名

      J Nutr Sci Vitaminol

      巻: 59 ページ: S57-S66

    • 査読あり
  • [学会発表] Predictive Value of Historical Height Loss and Current Height/knee Height Ratio for Prevalent Vertebral Fracture.

    • 著者名/発表者名
      Kuwabara A.
    • 学会等名
      American Society for Bone and Mineral Research, 34th Annual Meeting
    • 発表場所
      Minneapolis, MN, USA
  • [図書] ビタミンの新栄養学 (ビタミンKの項を担当)2012

    • 著者名/発表者名
      田中清
    • 総ページ数
      253
    • 出版者
      講談社サイエンティフィック
  • [図書] 栄養ケアマネジメントファーストトレーニング (骨粗鬆症の栄養ケアマネジメントの項を担当)2012

    • 著者名/発表者名
      田中清
    • 総ページ数
      152
    • 出版者
      医歯薬出版

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公開日: 2014-07-24  

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