食物アレルギーの治療の基本は正しいアレルゲン診断に基づく必要最小限の食品除去であり、その目的は安全に「食べること」である。食物アレルギーはIgE-mediated food hypersensitivityにほかならず、症状の発現の重篤さは、個体の感作の程度と吸収される抗原量により規定される。アレルゲンとなるのは食物中に複数含まれる抗原コンポーネントタンパク質であり、その抗原性は加熱や調理により個々に独立して変化する。この点を考慮して食教育とQOLの向上に応用可能な卵、牛乳、小麦の低アレルゲン化を行った。いずれも食教育と食物アレルギー児の健康と食生活の質の向上のために臨床応用可能なものである。
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