研究概要 |
H23年度の研究はIGFBPsを定量するためのELISAの構築する計画であった。体液中のIGFBP-4はintact IGFBP-4のみならず特異的なプロテアーゼ切断によるN-terminal domainとC-terminal domainの断片体が存在している。そこでそれら断片体を含めてELISAで定量することを目的としてintact IGFBP-4およびN-terminal domainとC-terminal domainの断片体を遺伝子組換え体を用いて調製することとした。それらのDNAはIGFBP-4cDNAよりPCRにて作製し、大腸菌での分泌発現用ベクターに結合させた。発現ベクターはalkaline phosphatase promoter,alkaline phosphatase signal sequenceを用いた(中村学園大学薬膳科学研究所研究紀要、第2号,2009,1-8,バクテリオファージからアルカリフォスファターゼへのペプチド転送システム,内山)。そのsignal sequenceの下流にIGFBP-4cDNAおよびN-terminal domainとC-terminal domain DNAを融合させて組変え体を作製した。それら組変え体はMOPS培地で0.1副リン酸二水素カリウムの存在下でプロモーターを誘導した。菌体は浸透圧ショックを与えた後、ペリプラズマ分画の蛋白質を回収した。ペリプラズマ分画の蛋白質はSDS-PAGEで蛋白質を分離した後、抗IGFBP-4抗体を用いてWestern Blottingを行った。その結果、通常の培養条件ではIGFBP-4の分子サイズを示す蛋白質はWestern-Blottingで確認できていない。現在、種々の培養条件を検討している。
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