研究課題/領域番号 |
22500809
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研究機関 | 京都教育大学 |
研究代表者 |
中野 英之 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (80554310)
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研究分担者 |
伊藤 孝 茨城大学, 教育学部, 准教授 (10272098)
飯野 直子 熊本大学, 教育学部, 准教授 (80284909)
植木 岳雪 産業総合技術研究所, 地質情報研究部門, 研究員 (40371025)
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キーワード | 地層 / 露頭 / 地層のはぎ取り / 地学教育 / 教材開発 / 実感を伴った理解 |
研究概要 |
小中学校理科における地層分野の学習では、実際の露頭を観察することが重要とされているが、実際には児童・生徒が露頭を観察する機会はほとんどないのが現状である。そこで、本研究では全国の児童・生徒が露頭に触れる機会を提供することを目的に、地層剥離技術を用いて全国の主に第四紀系の地層からはぎ取り教材を作成し、教師用指導書・ワークシート・授業計画案からなる教材を作成し、全国の小中学校の教員が自由に使用できる「地層宅配便」システムを構築する。本研究において開発する「地層宅配便」システムにより、全国の児童・生徒が教室で露頭に触れることができるようになり、児童・生徒の実感を伴った理解が飛躍的に高まることが期待できる。 平成22年度は、地権者や関係機関との協議を行い、はぎ取りが可能な露頭の調査を行った。北海道から鹿児島県まで全国約10か所の露頭より、津波堆積物、火砕流堆積物、河川堆積物など合計約300枚の標本を作成することができた。また、試験的に小中学校約10校、京都教育大学、木津川市の教員研修で使用を試みた。教員用指導書・ワークシート・授業計画書が完成していないため、小中学校では学校側の要望に応じて必要な標本を貸し出す形をとった。小学校では主にシラスと関東ローム層などの火山の噴火で形成された地層と水の流れでできた地層の標本を児童に観察させ比較を行う実践が行われた。地層のはぎ取り標本の使用が一定の教育効果があることや、教材化へ向けての新たな課題を確認することができた。
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