日本の静止気象衛星MTSAT(ひまわり)による雲画像は、ひろく天気予報、気象情報、小中学校での理科教育に利用されているだけでなく、気象学・海洋学・地球環境科学において基本的なデータとして重要である。本研究ではひまわりによる多チャンネルの赤外雲画像と可視チャンネル画像を収集し、1次的幾何補正を行った後、インターネット上のデータベースとして提供する事により、研究から教育にいたる広範囲な利用を促進する事を目的としている。 本年度の研究においては、画像処理およびバックエンドデータベースに使用するサーバを実質12TBのデータストレージを持つRAIDシステムに更新することで、一部に不安定であった画像処理とバックエンド処理が潤滑に行われるようになり、また、フロントエンドサーバについても通常経費を用いて最新の機種に更新することで、安定した画像提供ができるようになった。 提供される画像の種類としては、「日本付近赤外画像」「東南アジア赤外画像」「日本付近水蒸気画像」「日本付近スプリットチャンネル画像」「日本付近短波長赤外画像」「クイックルック画像」「日本付近可視画像」の7種類、およびGAME(GEWEX Asian Monsoon Experiment)観測領域幾何補正データで、本研究開始前とは変更が無いが、画像処理環境の改善とインターネット高速化の現状を反映して、クイックルック画像の特大版(フルサイズ)や、動画のサイズ拡大を行う事ができ、教育現場での利用などに今までより使いやすい形式とすることができた。
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