a. 遠隔制御実験装置を使った実証検証 実験装置を大学に設置し、大分県教育機関に限定された高速ネットワークを利用して,学校現場からの利用が可能であることの実証実験を行った。教材が高等学校向けであったため,高校の理科教諭に使用上の効果や改善点の指摘を受けた。 b.実験装置の企画設計と製作 固体の融点を観察する遠隔実験装置を完成させた。試料として水銀を用い,ペルチエ素子による電気冷却を使って温度を下げ,水銀が固化する様子をライブネットワークカメラで観測すると共に,冷却機器の電源および温度表示装置の電源を遠隔で操作することにした。 水銀は学校現場では使用できないため,水を使用して条件を変えて実験を行った。特に冷却に用いたペルチェ素子の冷却方法を改善し,高校の授業時間50分を考慮した条件を調べた。冷却過程は十分観測に耐える実験となったが,温度の自然上昇による加熱過程では時間がかかりすぎるだけでなく,室温に近くなったとき温度上昇が極端に遅くなり,決まった授業時間内での実験には課題が残った。遠隔で用いることのできるインターフェースボックスを別の製品に変更して,制御信号の点数を増やし,よりきめ細かな制御を行うという課題が明確になった。
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